クラン梅組

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ドイツ軍記 ウラ乃のイクサ vol.2

ウラ乃のイクサ vol.2

 戦場が見えた。スウェーデンのマスケット銃兵達がスト美達と撃ち合っている。精鋭として知られるスウェーデンのマスケット銃兵だが数で優るスト美達に苦戦気味だ。
「全騎、突入!」
「ヤー!」
 ウラ乃の率いるウーラン騎兵がスト美達との間をグングンと詰めていく。訓練が終わったばかりの5騎、本国から送られた5騎の合計10騎。スト美はざっと30人ほどいるようだが蹴散らすのに手間はいらない。
 ドォン、とぶち当たった。スト美の手が飛び、首が飛ぶ。スト美の持つオモチャのような銃ではウラ乃達の薄い装甲もろくに貫く事は出来ず、ハルバードのような形はしているもののろくに研ぎ出しもしていないスト美達の槍ではウラ乃達の勢いは止められない。
「隊長!これは楽ですね!」
「油断するな!トーチカからの射撃に気をつけろ!」
 ロシアの前線はスウェーデンの前線とかなり近い位置にある。すでにトーチカが二軒建ち、そこからの狙撃はウラ乃達の装甲を軽々と貫くのだ。
 そしてそのトーチカから次々と出てくるスト美達。みんな同じ顔、同じ武器。子供のような顔に笑顔を貼り付けてただ前進してくる。仲間が死のうと自分が斬られようとその笑顔が曇ることはない。その異様さにウラ乃の部下達もだんだんと恐怖を感じだしていた。
「また出てきました!敵が減りません!」
「くそっ、スウェーデンのマスケット銃兵達は何をしている!はやくあのトーチカを割ってくれ!」
 前線に居るのはロシア軍だけで、ポルトガル軍はまったく姿を見せない。今なら二国の物量でロシアの前線を突破し、踏みつぶすことが出来るはずだった。だがロシアの物量は一国でもドイツとスウェーデンの混成軍に匹敵している。
「このままだとポルトガルが時代進化してしまうぞ!」
 ポルトガルは序盤の立ち上がりが悪い。ほとんどの文明には本国から植民を希望する農民が結構な数居るものだが、ポルトガルとロシアの農民達は国から出たがらないらしく、結果として序盤の内政の立ち上がりに問題があるのだ。ロシアは必ず三つ子で農民が生まれてくるという特徴があるためにその弱点が目立たないが、ポルトガルは違う。
 ただし時代進化は工夫次第で他の文明と変わらない速度でできる。そして要塞の時代になれば全ての騎兵の悪夢、竜騎兵のドラ子達が出てくるのだ。
「押せ!押しつぶせ!」
 ウラ乃は仲間たちを叱咤した。後方の騎兵訓練所からは次々にウーラン騎兵が追加されてくる。さらに祐巳達がクロスボウを撃ち始めたが当たらない。何故か石弓は3発に1発は外れるのである。
「あ、あれぇ?」
 祐巳が不思議そうな顔をしてよろめいた。その胸に大きな穴が空いている。
「おかしいなぁ、矢が当たらな」
 カンッと音を立ててヘルメットが飛んでいく。見かけの割に脆弱な石弓兵のヘルメットは簡単にスト美の銃に撃ち抜かれていた。
「くっ……!」
 あっという間に全滅した石弓達を横目に見ながらウラ乃達は再度突撃をかける。スト美達の数は少しずつ減っていた。トーチカから現れる新手のスト美達の勢いが鈍っている。どうやら別働隊としてロシアの内政地帯に向かった騎兵隊が資源供給を邪魔しているらしい。
 自分達の内政地にもロシアのコサね達が向かっているはずだがそこにはきの子達がいる。彼女たちならコサねなど問題なく斬り伏せるだろう。
「これなら……!」
 だがその時、ウラ乃の隣にいたウーランが落馬した。銃声は遅れて聞こえてきた。
「間に合わなかったか!」
 スト美達の後ろに流麗な衣装に身を包み、短銃を持った騎兵が現れていた。通常の騎兵とは段違いの速度、そして百発百中の射撃能力を持つ騎兵の天敵。
「ドラ子……」
「あら、ウラ乃じゃありませんか。ふふ、もしかして私達と戦うつもりですの?」
 敵は脚が早い。近接して斬りかかろうにも距離を保たれ一方的に撃たれるだけだ。しかも運良く近接できたとしてもドラ子達は見かけより頑丈だ。同数程度であればこちらが斬り伏せるより先に蜂の巣にされるだろう。
「いや!まだ負けてない!」
 ウラ乃は後方から近付いてくるスウェーデンの銃兵達を見て叫んだ。スウェーデンのスカーミッシャー部隊が登場したのだ。先程から兵数が少なかったスウェーデンだがそれは時代進化を急ぎ、このスカーミッシャーを出すためだった。
「お待たせしました!あの竜騎兵は任せて下さい!」
 スウェーデンのスカ美が長い銃身をもつライフル銃を無造作に放った。たちまちポルトガルの竜騎兵部隊が後退する。
「ま、嫌な人達が来ましたわね」
 ドラ子達はあまり射程が長くはない。カラコル研究を入れてもスカーミッシャーの射程には及ばないので引き撃ちされるとどうしても厳しい戦いを強いられる。以前はポルトガルの技術研究で射程が22まで伸びるという技もあったのだが、最近ではその技術が廃れてしまったようだ。
 スト美達ではウラ乃達に敵わない。ウラ乃達はドラ子達に敵わない。ドラ子達はスカ美達に敵わない。スカ美達は数に優るスト美達に敵わない。それぞれがアンチと呼ばれる兵種となり、この戦場でいかにアンチに当たらず敵を倒すか、つまりは軍操作の巧みさに賭ける展開となったのだ。

ドラグーン

生産 肉90金90 遠隔耐性30% HP200 速度7.25 攻撃力/近接11・遠隔22 重騎兵x3・砲撃x2・馬歩兵x2.75
3の時代ではベテラン化されて出てきますので能力はさらに上になります。

ポルトガルの竜騎兵は全文明中最強とされています。強化カードが多く、またユニークユニット扱いで4に入ればヒネーテとなり、さらにジェニトゥールのカードで射程が+6されてカラコルと合わせると22になるという凄まじい能力を持っていたからですが、FPではジェニトゥールの効果が減少し、射程+2となりました。攻撃力とHP+10%がつくようになったのですが、射程の弱体化はそのプラス分を打ち消してあまりあるものでしょう。ただしそれでも重騎兵に対しては圧倒的な戦闘力を持ち、ウーランではまず勝ち目はありません。ポルトガルが竜騎兵を出してきたら無理にウーランを当てるのではなく、スカーミッシャーを出すようにしたいものです。

ページ作成 2012.10.30 21:49 最終更新 2012.10.31 01:28